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オブジェクト指向

最近、「OOUX(Object-Oriented User Experience)」という言葉を目にすることが増えてきました。これはアプリケーション設計において、ユーザーが扱う対象物=オブジェクトを起点に、UIを構築していくという考え方です。言い換えれば、「オブジェクトベースのUIモデリング」と呼ばれる手法であり、ユーザーがアプリケーション上で“何をするか”ではなく、“何を扱っているのか”に着目する設計思想です。

この考え方自体は決して新しいものではなく、以前から「OOUI(Object-Oriented User Interface)」として知られていました。しかし近年、UXの文脈であらためて再評価され、「OOUX」という名で注目されているのは、単なる流行語としての側面だけではなく、複雑化するプロダクト設計において“設計の中核に据えるべき視点”として、多くの実務者がその本質に気づきはじめたからかもしれません。

GUIが当たり前となった現代のアプリケーションにおいて、オブジェクト指向のUI設計は、もはや基本にして必須のアプローチです。しかし実際にはその方法論を体系的に理解しているデザイナーやエンジニアは限られており、とくに業務アプリや複雑なサービスの設計現場では、「タスク中心の構造から抜け出せない」ケースが少なくありません。

私自身、これまで数多くのUI設計に関わってきたなかで、「タスク」ではなく「オブジェクト」から考えるだけで、UIのわかりやすさ、操作効率、設計の拡張性が劇的に改善される瞬間を何度も見てきました。

この記事では、「オブジェクト指向UIとは何か?」という基本的な考え方から、その実践的な設計手法、そして具体的な活用事例までを紹介します。オブジェクトベースでUIを設計するとはどういうことかを、実感を持って理解してもらえることを目指しています。

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