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2026新年 レトロゲーム同好会

📻 AIラジオ by NoteBookLM


正月のある日、僕は最上稲荷の少し手前にある、小学校の頃からの友人宅を目指して車を走らせていた。
目的地は、祈りの場所ではなく、巨大なテレビモニタとコントローラが並ぶ居間だった。

毎年のことだが、行き道は全国から集まる最上稲荷への参拝客で、まるでゆっくりとしか進まない巨大な生き物の体内に紛れ込んだような渋滞になる。
それを見越して、通常なら車で20分足らずの道を、予定の2時間前に出発した。
それでも到着はほぼギリギリだった。正月の時間というのは、決まって意地悪だ。

本当は最上稲荷にも寄っていこうと思っていた。
けれど今回は、寄り道をする余裕がなかった
神様には、また別の機会にきちんと挨拶すればいい。今日は友人宅が目的地だ。

今回集まったのは三人。T氏とF氏と、そして僕である。
僕たちは、レトロゲームという趣味を通じて話が盛り上がる仲間だ。

ファミコンやMSX、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン。
話題は自然に、PS5やSwitch2といった最新機種にまで及ぶ。
時間は確実に流れているが、ゲームの話題に関してだけは、なぜか平等だ

小学校や中学校時代の、今思い出すと少し背中がむずがゆくなるような痛い記憶まで、僕たちは共有している。
そういう話ができる相手は、年を重ねるごとに確実に減っていく。
気づけば、この二人は「今では数少ない友人」という静かなカテゴリーに収まっていた。

社会に出てからは、話題も自然と広がった。
仕事で大変なこと、将来のこと、家のローン、そしてこれからの時代について。
それでも深刻になりすぎないのは、会話のどこかに必ずゲームの話が差し込まれるからだと思う。

T氏は結婚を機に家を買い、趣味であるゲームを手に入れ、コレクションし、収納するための空間を見事に構築している。
昔ながらのゲーム関連の話題が尽きないのは、彼の功績によるところが大きい。
若い奥さんも共通の趣味を持っているらしく、文句を言われないのも彼の強みだろう。

F氏は飲食業界で働いている。
忙しい日々の中でも、ゲームに関する知識量は昔から人一倍で、話題が途切れることはない。
彼の話を聞いていると、好きなものを好きなまま持ち続けることの強さを感じる。

僕自身は、この二人ほどではない。
けれどSwitch2を手に入れたことをきっかけに、ゲームに対する情熱が少しずつ再燃している。
だから今回は、おすすめのゲームをいろいろと尋ねさせてもらった。
それは相談というより、焚き火に近づいて暖を取るような感覚だった。

ポテトチップスを齧り、ジュースを飲みながら、
巨大なテレビモニタに映るゲーム画面を眺めていると、不思議と中学生に戻った気分になる。
こういう時間は、今やかなり貴重だ。
童心に戻れる、最後の砦のような時間だと感じる。

集まれる機会は決して多くない。
それでも、この時間だけは、これからも持ち続けたいと思う。
人生には、効率や生産性とは無関係な場所が、いくつか必要なのだ。

2026年、あけましておめでとう。

今年も、ほどほどに、しかし確かに、頑張っていきましょう。

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