成年期
新人デザイナー時代〜主任デザイナーになるまで
新人デザイナー時代〜主任デザイナーになるまで
高校卒業後、私はCG(コンピュータグラフィック)の世界に興味を持ち始めました。きっかけは、Windows95が登場し、インターネットが急速に普及し始めた時代の波に触れたことです。
私もその流れに感化され、「インターネットって面白いものだなぁ!」と感心していました。
そんな中、アルバイト先の仲間を通じて、Adobe PhotoshopやPaint Shop Proに触れる機会がありました。
初めてCGを体験した瞬間、何万色ものカラーピッカーから色を選び、エアブラシツールでキャンバスに微妙なグラデーションを描いたときの感動は忘れられません。
画面上のキャンバスと色の選択画面に無限の可能性を感じたのです。
「この技術をもっと深く学びたい!」という強い思いから、私は両親の支援に感謝しつつ、専門学校に進学しました。そこでは、HTML、DTP(デスクトップパブリッシング)、グラフィックデザインなど、幅広い分野を学びました。
当時の学びは、今のIT技術と比べるとまだ初歩的なものでしたが、それでも私にとっては未知の可能性に満ちた世界でした。
特にHTMLに関しては、当時のブラウザ環境やインフラがまだ最初期の段階にあり、今のような洗練された技術や高速通信環境は存在していませんでした。
それでも、インターネットの基本的な仕組みを学び、HTMLのタグ一つ一つを理解しながら、テキストや画像がどのようにウェブ上に表示されるかを体感したのは、新鮮な驚きの連続でした。
簡単なHTMLファイルを書いてブラウザで開くと、自分が入力したコードが画面上に形として現れる。その瞬間には、まるで魔法を見ているかのような感動を覚えました。
また、DTPやグラフィックデザインでは、当時の代表的なツールであるAdobe PhotoshopやIllustratorを使い、デザインの基礎と色彩の知識を深めました。
カラーコーディネートや構図の重要性を学び、デザインが単なる「見た目の美しさ」ではなく、伝えるべきメッセージや意図を効果的に伝達する手段であることを理解しました。
特に、色の選び方一つで全体の印象が変わることを知り、「色が持つ力」に魅了されました。
この専門学校時代に出会った仲間たちも、私の成長に欠かせない存在でした。お互いに技術やアイデアを共有し合い、時には切磋琢磨しながら、
学生ながらもプロの現場さながらの緊張感と楽しさを味わうことができました。
仲間たちの作品に触発され、自分の作品に磨きをかける努力を怠らなかった日々は、今でも鮮明に覚えています。
振り返れば、この時期に身につけたスキルや知識は、単なる技術の習得に留まらず、現在の私の職業人としての基盤を築くものでした。
HTMLを通じてインターネットの可能性に触れ、グラフィックツールでクリエイティブな表現を学び、仲間との交流で創造力を刺激された経験は、今でも私の中で生き続けています。
この時期があったからこそ、私は次のステップへ進む勇気と準備を持つことができたのだと思います。
専門学校を卒業した後、私は大学に編入し、単位に苦しみながらも2年で無事卒業しました。
その後1年間はフリーターとして過ごしましたが、専門学校の先生の紹介で岡山のデザイン会社にWebデザイナーとして入社することになりました。
このデザイン会社では、仕事を通じてWebデザインの知識や技能を実践的に学ぶことができました。
仕事の中で成長を感じるとともに、デザインの楽しさと難しさを実感しました。
その後、仕事を通じて知り合った広告代理店のディレクターだった三宅氏と出会い、彼の起業の話に協力する形で、ITベンチャーの世界へ足を踏み入れることになりました。
ここから始まる新たな挑戦については、次のページでお話しします。