少年期 👦
小学校〜中学校時代 🏫
小学校〜中学校時代 🏫
私が小学生だった頃、「自由帳」という名前のノートがありました。その名前の通り、そこには何を描いても自由で、フォーマットも決まりもない真っ白なページが広がっていました。
この自由帳は、絵を描くのが好きな私にとって最高のツールであり、空想を広げる舞台そのものでした。
「S田、自由帳やろうぜ!」という友達の声に誘われ、無数のキャラクターや物語がその白いページから生まれました。
絵を描く楽しさがきっかけとなり、自然と仲間たちが集まり、やがて「漫画コミュニティ」が誕生しました。
このコミュニティでは、自然と「編集長」のようなリーダー役が現れ、その下で私たちはそれぞれ漫画を描いていました。
私は特に上手いわけではありませんでしたが、リーダーが言ってくれた「君の漫画には独特の面白さがある」という言葉が、今でも心に残っています。
描くことが楽しくて仕方なかったこの時期は、創造力を存分に発揮できる貴重な時間でした。
リーダーシップを発揮してくれた彼の存在が、私の漫画への情熱を支えてくれたのです。
中学に進学すると、クラス替えや受験勉強で漫画コミュニティは自然と消えていきました。
しかし、同じ趣味を持つ仲間は確かに存在し、新しいコミュニティの中で再び漫画を描く日々が始まりました。
授業が退屈な時は、プリントの裏や教科書の隅に落書きをし、時には机の上にも絵を描いていました。
ある日、教室の張り紙に「人間知的レベルが下がると、何故か落書きをしたくなる」と書かれていたのを見て、私は思いました。
「いや、逆だ!知的レベルが上がると落書きをしたくなるのだ」と。
創造性とは、人間の本質そのものなのです。
学校の中で唯一楽しみにしていた授業、それが美術でした。
絵や粘土など、ものを作ることに夢中になる自分を意識し始めたのはこの頃です。
他の教科の成績は平凡でしたが、美術だけは偏差値72を獲得し、自分の才能を自覚するきっかけとなりました。
成績表の「美術:5」という評価は、当時の私にとって何よりも嬉しく、自信につながるものでした。
この時期に培った創造力と自信が、現在の私を支えていることは間違いありません。